パンダマークの
小児科から

vol.15
「ポリオ」

年9月、ワクチンが変更になった「ポリオ」。病気そのものよりも、予防接種のほうが話題になっています。日本では病気そのものは30年以上みられていませんからね。

ポリオ。病名、急性灰白髄炎。別名、小児まひ。ポリオウイルスによる感染です。5歳未満に多いですが、成人でもおこります。感染すると、のど、消化管でウイルスが増殖し、一部が神経へ侵入し手足(特に下肢)に弛緩性のまひがおこります。まひを起こす頻度は低いのですが、治療はなく、10%弱の頻度で終生まひが残ります。また、呼吸筋にまひが生じると呼吸不全から亡くなります。現在でも、インドやパキスタン、ナイジェリアなど、アジア・アフリカで流行している病気です。

日本では1960年頃まで流行(年間患者数6,500人)していました。そのため、カナダ、ソ連から生ワクチン(OPV:Oral polio vaccine)を緊急輸入し、1,300万人のお子さんに一斉投与され、3年後には患者数100人以下になり流行が収まりました。1964年からは国産OPVになり、1981年以降、患者さんは発生していません。
 OPVは当初の流行抑制という目的は十分果たしたでしょう。反面、OPVによるワクチン関連まひ、ワクチンを受けた人から周囲の人への感染、という副作用(100万に1人程度とごくまれですが)が表面化しました。

ごくわずかですが副作用もあり、しかも、これだけ長い間患者さんがいないのなら、もうワクチンは必要ないのでは?と思いますよね。しかし、海外ではまだ流行している地域があり、ウイルスが持ち込まれる心配があるためワクチンは必要なのです。

このような背景から、今年9月から、ワクチン関連まひなどの副作用のない不活化ワクチン(IPV:Inactivated polio vaccine)へ移行することになりました。

OPVは効果が強いので、2回接種(経口で投与。腸管と血中の両方に免疫効果)でした。これで長期間免疫が持続します。IPVは効果がOPVより弱いため、4回接種(注射で投与。血中のみの免疫効果。海外では5回以上投与の国も多い。)が必要です。移行当初はワクチン不足などが予想されますが、すぐにかかる心配はあまりない病気です。あわてず、でも、必要な回数はきちんと受けましょう。



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