パンダマークの
小児科から

vol.12
「溶連菌感染症」

今回は溶連菌という細菌(ばい菌)のお話し。A群β溶血性連鎖球菌の略です。

大人の方で、心臓弁膜症の方がいらっしゃるでしょう。原因として、子どもの頃の溶連菌感染の可能性があります。溶連菌感染の後にリウマチ熱を合併し、その症状の一つとして弁膜症を起こすのです。
 またお子さんでも溶連菌後の腎炎合併で入院するケースもあります。腎炎は、急性糸球体腎炎といって、腎臓での尿の濾過機能が低下し、むくみや血尿、高血圧などがみられます。溶連菌は、こういった合併症があるから要注意の感染症なのです。

溶連菌は最初、のどに感染し咽頭炎を発症します。
 症状として、のどの痛み(食べる時結構痛いようです)、発熱です。首のリンパ節が腫れたり、腹痛が出たりもします。あまりカゼと変わりませんね。
 少し時間が経つと、菌から出た毒素が全身を巡って、手足の先のほうや、首、腹部にかゆみを伴う発疹がでたり、口角(上下唇が合わさるところ)が切れたり、舌がイチゴみたいにボツボツする苺舌がでてきたりします。回復期には、指の皮膚が薄くはがれる方もいます。

園での流行状況や、のどの特徴的な赤さがあると溶連菌を疑います。溶連菌はのどの細菌検査で診断ができます。急性期に診断がつくと、治療として抗生物質を投与します。1、2日投与するだけですみやかに発熱などの症状は消えていきます。

 しかし!ここで治療を止めてはいけません。溶連菌はここからが大切。急性期はこれで治っていくのですが、十分な期間の抗生物質を投与しないと、再発したり、保菌状態になったり、前記したリウマチ熱や腎炎などの合併症をおこしたりしてしまいます。
 そのため、現在ではペニシリン系抗生物質を10日間がスタンダードな治療となっています。しっかり治療しないといけないのですね。

抗生物質が進歩し、昔ほどリウマチ熱の診断はみられなくなりましたが、腎炎の合併はまだまだいらっしゃいます。腎炎になると、しばらくの入院や、食事・塩分・運動などの制限が必要になり、小さいお子さんをもつご家庭では、お子さん本人、ご家族ともにかなりの負担になります。

 急性期のしっかりとした治療で、合併症をおこさないようご注意ください。


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