パンダマークの
小児科から

vol.11
「麻疹(はしか)排除へ」

麻疹(はしか)。ご存じですか。昭和生まれは経験している方が多いでしょう。逆に平成生まれはほとんど経験していないのではないでしょうか。
 麻疹ウイルスによる感染を言います。発熱、鼻汁、咳など、初期はかぜ症状とあまり変わりません。ここではまだ診断がつきません。
3日程度続いて、少し熱が落ち着きます。このまま治るのかなと思ったら、すぐに再発熱し、40℃近い高熱がさらに3日程度続きます。
このときに体中に赤黒い発疹がたくさんでき、ようやく「麻疹だ!」と診断がつくのです。

とってもつらい病気で、肺炎や中耳炎などの合併症で入院する方がたくさんいます。不幸にして脳炎などで亡くなる方もいます。
 麻疹が怖いのは、亡くなる病気であることに加え、初期のまだ診断のつかない時期が一番感染力の強いことです。空気感染しますので、免疫のない方にはかなりの確率で感染します。麻疹と気付く前にほかのお子さんにうつしてしまうのですね。

そんな怖い病気、麻疹の予防にはワクチンがあります。昭和53年から定期接種(ワクチン1回)になり、感染者は少なくなりました。
しかし流行阻止に必要な接種率95%にはほど遠く、流行は繰り返されました。海外から日本は「麻疹輸出国」と悪いレッテルを貼られていたのです。
 そして、近くでも5年前にある学校で小流行がありました。首都圏の大学や高校でも流行があり、休校などニュースになりました。記憶にある方もいるでしょう。

ワクチン1回接種では時間とともに免疫力が徐々に下がり、やがて感染するレベルになってしまうのです。そのため平成19年からは、諸外国と同じ、ワクチン2回定期接種体制になりました。それ以降はっきりとした流行はありません。

 現在は麻疹の感染者を詳しく検査してみても、日本で流行していたタイプは検出されず、海外の流行国からの持ち込みタイプがほとんどになっています。麻疹輸出国の悪いレッテルがとれてきたのです。日本でもいよいよ麻疹制圧期から排除期になりそうです。

 現在、ワクチン接種率は90%前半。もう少しで目標の95%です。ワクチンを2回(1回目1歳で、2回目年長さんで)きちんと接種し、日本から完全に麻疹を排除しましょう。


パンダマークの小児科からTOPにもどる

TOPへもどる

2014 Ardent Communication
All rights reserved.