パンダマークの
小児科から

vol.9
「おたふくかぜ」

流行性耳下腺炎。通称、おたふくかぜ。耳の下が腫れ「おたふく」のような顔になる病気です。

ムンプスウイルスが原因で、感染後2?3週間の潜伏期間を経て発症します。耳の下にある耳下腺が腫れてきます。片側だけ腫れる/左右とも腫れる、少しだけ腫れる/かなり腫れる、腫れの程度はいろいろです。ほかに、あごの下の顎下腺、舌下腺なども腫れます。発熱や腹痛を伴う方もいます。
 また、感染しても症状がでない不顕性感染が約3割といわれています。知らない間に実はかかっていた、という方も多いのですね。

さて、誰かお友だちがおたふくかぜになると「ついでにもらっちゃえ!」と考える方もいますね。でも注意。おたふくかぜの怖いところは、合併症が多いことです。
 代表的なものが「髄膜炎」。100人に数人といわれています。かなりの頭痛と嘔吐があり、つらい合併症です。ほかに、成人では、精巣炎や卵巣炎
 そして重大な合併症として「難聴」。1,000人に1人程度の頻度といわれています。通常、片側だけが難聴になるので、もう片方の耳を通して日常生活は送れますが、やはりお困りでしょう。そしてこの難聴には残念ながら治療がありません。おたふくかぜは、この合併症があるのでやっかいな病気です。安易にかかってしまえ、では済まないこともあります。やっぱり病気ですからね。

では予防法。おたふくかぜにはワクチンがあります。90%くらい抗体を獲得できます。
 諸外国では法定定期接種に組み込まれているところが多いです。しかし日本はまだ任意接種、お金がかかります。そのため接種率が低く、流行が収まりません。年間数十万人がかかるといわれています。みんなが接種して免疫をもてば病気は激減します。麻疹(はしか)がそうですね。
 現在の日本では、予防医療であるワクチンは有料、病気になってからの治療は無料。そのため予防に力が入らず、なったら治療すればいいや、になっているのです。

でも、合併症などの身体への負担を考えると、やっぱり治療よりも予防ですよね。
 今後は、おたふくかぜも法定接種化へ進むでしょう。麻疹みたいに、おたふくかぜも、そしておたふく難聴も、小児科医が診察しなくなる日が来ることを願っています。


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