パンダマークの
小児科から

vol.8
「細菌性髄膜炎」

細菌性髄膜炎。細菌(ばい菌)が脳を包む髄膜に侵入して髄膜から脳へ炎症をおこす病気です。
 髄膜とは、人間の中枢神経をつかさどる脳から脊髄を包む膜で、とても清潔な空間です。厳重に免疫のバリアから守られ、細菌は入り込むことができません。しかし、免疫力の弱い乳幼児などはこのバリアが破綻し、細菌の侵入を許し、髄膜炎を発症してしまうことがあります。多くが0歳と1歳で、年間数百人が発症します。

まず発熱がでます。まだ普通のカゼと見た目ではほとんど変わりありません。炎症が強くなり、徐々に頭痛や嘔気・嘔吐が強くなり、首を動かすと痛がります。さらに炎症が進むと、意識がもうろうとしたり、けいれんしたりすることもあります。最終的には命にかかわったり、後遺障害を残したりするお子さんが発症者全体の25%ほど出てしまう怖い病気です。

原因菌として、ヒブ(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌が代表的で,この2つで大半を占めています。
 普段からみなさんののどに常在菌として存在するごく普通の細菌です。これが免疫力の弱い乳幼児の場合、カゼなどでのどの粘膜がキズついて小さい血管に細菌が侵入し、免疫バリアをかいくぐって髄膜へ侵入し髄膜炎発症となってしまうのです。

ある程度大きいお子さんになると「頭がウンと痛い」など症状を訴えることができますが、小さいお子さんは症状を訴えることができず、しかも最初は発熱だけで早期診断が難しい病気です。また、最近はヒブや肺炎球菌は抗生物質への耐性が強くなり、以前より治療へ抵抗するケースが増えてとても苦労するのです。早期発見も難しく、ちょっと進行してから発症に気付き、また治療にも抵抗する病気ですから、予防ができれば一番です。

これら2つの細菌には予防接種があります。ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンです。髄膜炎セットとも呼ばれています。すでにワクチンを導入している諸外国では髄膜炎は過去の病気になっています。また髄膜炎だけでなく、ヒブによる喉頭蓋炎、肺炎球菌による肺炎や中耳炎の予防にも効果が期待できます。

細菌性髄膜炎は怖い病気ですが、予防できるようになりました。生後2か月からワクチンが接種でき、現在は公費負担がありますから、早い時期からの接種をお考え下さい。 


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