パンダマークの
小児科から

vol.3
『予防接種』

連載第3回目の今回は予防接種についてお伝えします。

最近、多くのワクチンが出てきました。ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンあたりがここ数年で。これから、不活化ポリオワクチン、ロタウイルスワクチンなどが出てくる予定です。
 人の体は一度かかった病原体の情報を記憶する「免疫」をもっています。そのため、また同じ病原体が侵入してきても、その病気にかからないか、または早く排除して病気が軽く済む機能を備えています。例えば、みずぼうそう。1回なればもうかかりませんね。その能力を利用したのが予防接種です。

予防接種は、発症しない程度に弱くした病原体(ワクチン)を体内に投与し、前もって免疫をつけておくのです。こうすることで、実際に病原体が入ってきても、免疫が早く働き、かからないか、軽く済むような効果が期待できるのです。また、多くの人が免疫を持つことによって、乳児、妊婦さん、高齢者など、周囲の病弱な方へ病気をうつさずに済むこともできます。
 予防接種は、治療法がないか、生命にかかわるような重症化する病気が対象です。麻疹は治療がなく、合併症も多く亡くなるお子さんもいます。百日咳で呼吸困難になる乳児もいます。ヒブや肺炎球菌が引き起こす細菌性髄膜炎は、死亡や後遺症を残す率が高くなっています。子宮頸がんは年間1万人以上が発症し、毎年数千人が亡くなるがんです。怖いですね。予防接種によって、こうした不幸な経過をとる方々を減らすことができます。

最近になり予防接種の種類が増えたように思えますが、これが世界標準です。諸外国では、多くのワクチンが法定接種として、行政の責任と負担において行われています。日本では自費の任意接種が多いのですが、欧米では細菌性髄膜炎は過去の病気と認識され、日本は麻疹輸出国と言われるくらいです。日本はまだまだ遅れているのです。
 どんな病気でも、かかってからの治療や、合併症の心配をするよりも、病気にかからない、予防のほうが体の負担が少ないです。予防医療の大切さを学び、予防接種への理解を深めていただけたらと思います。


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